■ゲルマンの栄光
「victory の語意を持つゲルマン語の要素」――古代ノルド語 sigr ,古代ドイツ語 sige (sigu) ,古代英語 sige 等――を含む二要素語名は数多い。
日本で有名なのは ジークフリート Siegfried (♂) (victory-peace) や ジークムント Sigmund (♂) (victory-protection) だろうか。
sigr, sige (sigu), sige 等の古代語は,si-, sig-, sieg-, sigis-, se-, seg-, -sey
等に変化し,個人名や姓名の中に生き残っている。
どちらかと言えば「前置きポジションが好まれた」要素らしく,後置タイプは Alfsigr, Aelfsige ,Wulfsige, Eadsige (?) くらいしか記録に残らなかった。
Alfsigr や Aelfsige を見ていると,「古代ドイツ語の同系名が存在して,それがもし現代に残ったら Alfsieg あたりだったかも」とか妄想が浮かぶ。
Sieghard (♂) という男性名がある。
辞典に記載がないが,まず間違いなく victory-hard の語意のドイツ語名だろう。 Leonhard (♂) や Reinhard (♂) の例から考えれば,カナ読みは「ジークハルト」になるだろう。
[Last update 2008/3/30]
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