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Eleanor (♀) F.

-不明- 諸説あってはっきりしないが,Helen (♀) の変形とされた歴史が長い。

[English] Eleanor, Eleanora
(借用形) Eleonora, Leonora (< *Italian), Lenore (< *German)
(変形) Ellenor, Elinor
(短縮形) Nora
(Leonora の変形) Lenora, Lenorah, Lennora, Lennorah
(愛称形) Nell, Ellie, Nellie
[Irish Gaelic] Eileanóra
[German] Eleonore
(変形) Leonore, Lenore
(短縮形) Nora
[French] Eléonore, Éléonore
(古形) [Old French] Elienor [Provençal] Aliénor
(変形) Léonore
[Italian] Eleonora
(変形) Leonora
Modern [Greek] Eleonora
[歴史人名] アリエノール・ダキテーヌ (Alienor d'Aquitaine = Eleanor of Aquitaine, 1122-1204,ヘンリー2世王妃)
[有名人] ネル・グウィン (Nell Gwyn, 1650-1687,女優。チャールズ2世の愛人として有名。本名は Eleanor Gwyn)

Eleonor はプロバンス語名 Aliénor が変化したもの。そして Aliénor はかなり長らくギリシャ語源の名前 Helen (♀) のプロバンス語形とされてきた。
 Helen (♀) 系説を採用しているのはEGW (1945) , R&W (1958) , J&S (1962) LR (1963) 等,やや昔に出版された辞典である (カッコ内は初版の出版年) 。
 GRS (1979) は基本的には Helen (♀) 説だが,後半部分を Honora (♀) 由来と考えている。

 ところがH&H (1990) は Eleonor (♀) の前半がゲルマン語の要素 ali- (語意 other, foreign) だと推定した。JC (1990) は Helen (♀) 系の説,ゲルマン語由来説の他,別のギリシャ語由来説,アラビア語由来説まで取り揃えて説明してある。AR (1995) ,DP (1999) はゲルマン語由来説だが,その要素は al- (語意 all) だと書いている。

 どうも1980年代に Eleanor の語源説が激変したらしい。その理由は不明。H&H はEGW, GRSの辞典を参考文献に挙げている。しかし自分の辞典にはゲルマン語説を書いたのだから,何か別の根拠があったに違いないが,不明。

フランス語形は H&H の辞典,CLEの本で Eléonore, アポロ仏和辞典とヨーロッパ人名語源事典で Éléonore になっている。『固有名詞英語発音辞典』でも Éléonore の綴りになっている。どちらかが間違っているのか,どちらもありなのか,そのへん不明。

Leonora (♀) 等の変形は「語頭音消失」(綴り最初の E- が落ちた) により出来た形とされている。

英語短縮形,ドイツ語短縮形に Nora (♀) があるが,Nora には Eleanor 系以外にもいくつか違う起源がある。

Wiktionary によるとフィンランド語形は Eleonoora らしい。しかし Eleonoora という完全形で使われることは稀だとも書いてある。指小辞形は Elli, 短縮形が Noora だが,指小辞形 Elli は El- で始まる他の女性名にも使われており,Eleonoora 専用ではない。

[カナ表記/原語でのアクセント位置参考]

Eleanor (♀)
[カナ/English] レアノール
Eleanora (♀)
[カナ/English] エレアーラ

Eleonora (♀)
[カナ/Italian (慣)] エレオノーラ
[カナ/Greek (慣)] エレオノラ

Eleonore (♀)
[カナ/German] エレオーレ

Éléonore (♀)
[カナ/French] エレオール

Leonora (♀)
[カナ/English] レオーラ

Leonore (♀)
[カナ/English] レオール
[カナ/German] レオーレ

Lenore (♀)
[カナ/English] レール

Nora (♀)
[カナ/English] ーラ,
[カナ/German] ーラ

Nellie (♀)
[カナ/English] リー

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