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Rosamund (♀) F.

--GE-- [Old German] horse-protection/「助言」-「守護 (者) 」
--LA-- [Latin] pure (clear) rose, rose of the world/純粋な (綺麗な) バラ,世界のバラ

[English] Rosamund, Rosamond
(古形) [Old German] Rosamunda
[German] Rosamunde
[French] Rosemonde
[有名人] Fair Rosamond と呼ばれたイギリス王ヘンリー二世の愛妾 Rosamond Clifford (ロザモンド・クリフォード, 1140~1145-1175~6 /*生没年に異説あり)。彼女の名は Rosamund Clifford とも書かれる。

古代ドイツ語名 Rosamunda ((h)ros-munda, 語意 horse-protection) に由来。
 ただし中世からラテン語 rosa munda (語意 pure (clean) rose) または rosa mundi (語意 rose of the world) であると解釈され始め,誤解の歴史が長い。

H&H によるとラテン語 rose munda, rosa mundi は聖母マリアの称号だった。
 また英語版 Wikipedia の Rosamund Clifford のページに,彼女の二つ名が "Rose of the World" だったと書いてある。これは彼女の名 Rosamund (Rosamond) が当時ラテン語で rosa mundi (語意 rose of the world) と解釈されていたことを示すものかもしれない。 

古代ドイツ語名 Rosamunda から派生した英語の姓名として,EGW は  Roseaman, Rosomon, Rosemond, Rosamund を挙げている。

R&W の辞典では英語の姓名 Roseman, Rosamond, Rosoman の語源として OG Rosemunda (f) と書かれている。
この古代ドイツ語名 Rosemunda と Rosamunda が同じ名前かどうかは不明。しかし綴りから見て別の名前とも考えにくく,古代ドイツ語の時代に2つの綴り字があったと考えたほうが妥当のように思える。
 …… Roseman 姓は「バラの男」という意味ではないらしい。

上の表には入れなかったが,LR によればスペイン語形が Rosamunda らしい。だとするとスペインでは古代ドイツ語形の綴りがそのまま継承されたことになる。

ネット検索によればイタリア語形は Rosamonda らしい。しかしロザモンド・クリフォードを題材にしたイタリアのオペラ Rosmonda d'Inghilterra (Rosamund of England の意。1843年ドニゼッティ作) がある。当時は Rosamund に対応するイタリア語の綴りが Rosmonda だったのかもしれない。

Wikipedia で「ヘンリー2世・妃のアリエノール・ダキテーヌ・愛妾ロザモンド」のページを見てまとめてみた。

 1152年 ヘンリー2世 (1133年生まれ・19歳頃) とアリエノール (1122年生まれ・29歳頃・再婚) が結婚
 1153年~1167年 多数の王子・王女誕生

 1168年 アリエノール (45歳頃) が夫 (35歳) と別居,アキテーヌに戻る。
   (理由: ヘンリー2世がロザモンド・クリフォードを愛妾にしたから)
  ロザモンドは当時 28歳~23歳 (生年に異説があり 1140~1145と幅がある)
 1175~6年 ロザモンド死亡 (35歳頃~30歳頃)
 1189年 ヘンリー2世死亡 (56歳)
 1204年 アリエノール死亡 (82歳頃)

 前夫との間に2人の娘をもうけているので,アリエノールはトータルで10人の子供を生んでいる。
 彼女の体の素晴らしい頑健さに感心した。

[カナ表記/原語でのアクセント位置参考]

Rosamund, Rosamond (♀)
[カナ/English]ザモンド
[発音近似カナ/English] ザマンド

Rosamunde (♀)
[カナ/German] ロザンデ

Rosemonde (♀)
[カナ/French] ロズンド
[発音近似カナ/French] ロウズーンド

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