■グラハム・トーマス [Graham Thomas] (S) -----[撮影] 2022年5月19日,都立神代植物公園
イングリッシュローズの名花として知られるバラ。
Graham は日本で「グラハム・ベル」[アレクサンダー・グラハム・ベル(Alexander Graham Bell) ] の名として知られ,「グラハム」のカナ表記が確定した感がある。しかし実際の英語発音は「グレイアム」に似たものだ。近年は「グレアム」表記も定着している。
グレアム表記の有名人として作家のグレアム・グリーン (1904-1991) が存在する。彼の作品が日本語訳され始めたのは1950年代だった。古書検索して
権力と栄光 グレアム・グリーン 新潮社 (1959年)
という本の表紙画像を見つけた。1959年,60年以上前に「グレアム」表記があったのだ。
おそらく当時までに Graham の発音はグラハムではないと知る人,または実際に Graham の発音を聞いたことがある人が,グレアムというカナ表記を作っていた。
でもなぜかこのバラは1983年作出なのに,日本で品種のカナ表記を決める時に「グラハム」になってしまったようだ。
[作出] 1983年イギリス,David Austin
[交配親] Charles Austin × (Iceberg ×実生)
[花] 山吹色系の温かい黄色で,咲き進むと色が淡くなる。深いカップ咲き,花径11センチ
[花期] 初夏から秋
[葉] 光沢がある緑色
[株の大きさ] 1.2m
[香り] 強く甘いティーローズの香り
[別名] Ausmas
[神代植物公園での花期] 2022年は5月11日の段階で咲いていなかったが,5月15日にはちらほらと見頃な花があり,傷んでいる花もあった。そして5月29日の時点で花壇全体が見頃を過ぎた感じだった。
Copyright (C) 2022 S. Sonohara, All rights reserved.
Last Update 2022.6.1