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Ida

[英語圏では]

 古代ドイツ語の要素 id- (語意は work, labor)由来と考えられている(この要素は古代ノルド語で idh に相当する)。
 ノルマン人がイングランドに持ち込み300年くらい使われたが,14世紀以降は廃れた。しかし19世紀に再び使用が始まった。これはロマンチックな文学作品に Ida が登場した影響と見られている。
 イダ山(ギリシャ神話のゼウスの生まれた場所)からの連想で使われることもあるようだが,どうもこれは語源的に関係ないらしい。

[アイルランドでは]

 Ita の変形として使われた。Ita はゲール語名 Íde の英語化形である。Íde の語意は不明だが,古代アイルランド語で thirst の意味の語に由来すると考える説がある。6世紀頃のアイルランドに存在した St. Ita は,St. Ide とも書かれた。手持ちの本によれば彼女は「多分アイルランドで一番有名な聖女」だそうだ。

[ドイツでは]

 『独和大辞典』には古代高地ドイツ語由来とあるが語意不明。
 ドイツでは Ida(またはIdda)の名を持つ修道女が12世紀から14世紀までの時間のどこかに存在したらしい。生没年その他全て不祥。修道女 Ida は15世紀初頭から崇拝され始め,15世紀末には,古伝を下敷にして彼女の伝説が作られた。
 それによるとイダはトッゲンブルク伯の妻で,不貞の罪を着せられて城の窓から突き落とされたが,まったくの無実だったので,神の加護によって奇跡的に助かったという。

[ロシアでは]

 ロシアでは Adelaida, Stepanida (♀) の略称形として Ida が使用される。

 このように Ida は地域によって由来とイメージが違う名前である。


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