古代ドイツ語名 Adalbert が変化して古代ドイツ語名 Albert が発生した。この Albert のフランス語形が Aubert 。現代の英・仏・独の三国で個人名として使われる Albert と語源は同じ。
聖オベール(Saint Aubert /サントベール)の名として有名。彼は天使の啓示を受け「モン・サン・ミシェル」を建設した人物とされる。
ネット検索すると「Aubert と綴るフランス人の姓」は良く出てくるが,個人名としての Aubert はあまりないようだ。あまりにも古名のせいか(聖オベールは8世紀人),聖人伝説の内容がちらっと縁起が悪いためなのか,そのへん不明。
私が親なら「頭に穴が開いた聖人」の名前なんか子供につけたくないしなぁ。
ところで先日,輸入菓子売り場で「サントベールパレット」なるバタークッキーを発見し,購入した。
パッケージには「モン・サン・ミシェルの絵」と「SAINT AUBERT」の文字が印刷されていた。このクッキーは各国に輸出されているらしく,なんと8カ国語で説明文が書かれている。
食べ物に冠された古めかしい人名。
日本なら「金太郎(飴)」とか「信玄(餅)」とか「助六(寿司) 」みたいな状態なのだろうか。
……と妄想が広がった。
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