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フロースガル (Hrothgar)

 古英語で書かれた叙事詩『ベオウルフ』に登場するデンマーク王の名。
 また,北欧神話を元ネタにしたCRPG『世界樹の迷宮2』には,「ギルド『ベオウルフ』のリーダー,フロースガル」という人物が登場する。

 Hrothgar は現在の Roger に当たる名前。(→ Roger 対照表)
 語意は「名声,高名」+「槍」。

 ゲーム『世界樹の迷宮2』に登場したNPC「フロースガル」は,序盤に登場してすぐ退場するため,「ゲームクリアする頃には多くのプレイヤーが彼の名を忘れている」という気の毒な人物だった。
 そして彼は掲示板などで話題にされるとき,「フロなんとかさん」や「フロストスマイル」等と冗談的表記をされるようになってしまった。
 最初から「ロジャー」にしておけば名前を忘れられることもなかったかもしれない。

 ところで世界樹2の宿屋の名は「フロースの宿」だった。
 「フロースガル」が登場した時,もしかすると彼は宿の経営者の親戚かもしれないと妄想したものだが,ゲーム中でそういう話は全然なかった。
 しかし Hroth- が「名声,高名」の意味だから,「フロースの宿」は「名高い宿」という意味に。
 結構大きく出たネーミングかも。

[2014.11.16 追記]

 『新・世界樹の迷宮2』の体験版をプレイしたところ,初めて訪れた時だけ Flos Inn と表示された。
 (2回目以降は表示されない)
 旧作も同じ仕様だったかもしれないのだが,全く覚えていない。
 Flos ならラテン語の「花」flos あたりが元ネタなのかもしれない。

 なお『新・世界樹の迷宮2』の本編ではフロースガル関係のイベントが追加されており,旧作よりは印象が強くなっている。


 ついでにフロースガルの妃ウェアルフセーオウ (Wealhtheow) について調べてみたが,
 wealf-theow と分解して古英語 wealf (語意 Celt, Welshman, foreigner) +古英語 þēow (slave, servant) と解釈する説がある。
 ……「外国人の奴隷・召使い」なのか? 王の妻の名としてはあんまりな感じだ。

 検索によればアングロサクソン人の社会には þēow (theow) セーオウ」と呼ばれた奴隷階級がいたらしい。
 ふと R&W の姓名辞典を見たら,Thew, Thewes, Thow の姓名が OE þēow (a slave, bondsman, thrall) 由来だと書いてあった。
「そんな○○は嫌だ」の世界だが,「ポピュラーな名前(Robert とか) Thew」で検索するとヒットする。
 現代でも実在する姓名だった。

[記 2014.2.23]


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