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Diotima その他

 説明欄には以前,

『マイスター独和辞典』によるとプラトンの『饗宴』に登場する女祭司,ヘルダーリンの『ヒューペリオン』中の女性の名であるそうだ。一般人名ではなさそうな感じだが,文学由来の人名としてドイツで使われるのかもしれない。語源・語意は不祥。 Dio- の部分は Dionysius (♂) と同様に Zeus 神の意と思われる……

 などと書いていたが,『ヨーロッパ人名語源事典』の117ページに説明があった。
 簡単に言えば前半が of Zeus の意,後半はギリシャ語の tīmē (「名誉」の意)。

 [注] 原文の tīmē eの上にはさらに記号あり

 その箇所を読んで思い出したのが,Timothy (♂) とその女性形 Timothea (♀) だ。
 H&H によれば Timothy (♂) はギリシャ語 tīmē (語意 honour)+theos (語意 god)である。honour は名誉の意。
 どうも,『ヨーロッパ人名語源事典』に載っている この言葉と,H&H の言う tīmē とは,同じものらしい気がする。

 二つが同じものだったとすれば,ゼウス神由来の前半要素を持つ Diotima (♀)と, 後半要素に「神」を持つ Timothea (♀) はイメージ的に似通っている。
 Timothea (♀) の二要素の前半と後半を入れかえたら,もっと Diotima (♀) に似るように思える。
 ギリシャ語 theos に由来する前半要素を持った名としては,Theodore, Theophania, Theophilus 等がある。となると,Timothea の二要素の逆並べは,Theotima という形ではないかと推定してみた。

 そして Theotima を Google で検索したら,St. Theotima とか,Theotima & Kyriaki the Martyrs とか,人名らしき文字列を含むページが見つかった。語源・語意はともかく,どうも Theotima という名は実在するように思える。

 検索途中で St. Theotimus という聖人名にも当たった。素人目には Theotima の男性形に見える。しかし,不明。

 ディオティマの語源と語意がわかったので嬉しかったが,こんどは別口の疑問が湧いてしまった。


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