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ボニファーツ

 3DSゲーム『世界樹と不思議のダンジョン』をプレイしていたら,「ボニファーツ」という名のルーンマスター (徘徊冒険者) に出会った。ノーアリアドネ主義の人らしい。
 このゲームで「アリアドネ」とは「アリアドネの糸」(迷宮から街に帰還できる魔法系アイテム) だ。緊急脱出用に一つは持っているのが普通である。これがないとモンスターと戦いながら階段を登って街を目指すしかない。
 私は小心者なので3つ4つは必ず持っていく。
 フクロウの混乱攻撃で投げ捨てることもあるし,呪いバッタに呪われると使えなくなるし,カメレオンに盗まれて取り戻せなくなることもあるし。
 TPが切れて術が使えなくなったらおしまいのルーンマスターが,アリアドネの糸を使わないとは,なんと無謀なキャラ設定だ。

 ボニファーツの名の元ネタは多分ドイツ語名の Bonifaz だろう。
 Bonifaz はラテン語形では Bonifatius (ボニファティウス) で,8世紀のマインツ司教 Bonifatius は有名な聖人である。

→ Bonifatius 対照表

 かなり昔,図書館の歴史本でマインツ司教ボニファティウスの立像の写真を見た。変な持ち方をした聖書 (?) で胸に置いた短剣を挟んで支え,もう片方の手には杖を持っているものだ。短剣の柄が十字架に見えるのは多分計算されたものなのだろう。杖の頭は唐草模様的にくるんと丸まった形だ。(今ネット検索したところマインツの大聖堂にあるようだ)

 それを見た時,私はファミコンゲームの『ウィザードリィ』を思い出し,この写真のキャプションに

 しきべつできました ねじれたつえ

 と書きたい衝動に駆られた。
 自分の本なら落書きしたいところだった。

(ウィザードリィでは未識別アイテムを『司教』だけが識別できる。『司教』は成長が遅く冒険の足手まといなのだが,連れていかないと迷宮で拾ったアイテムをすぐ使えない。呪われたアイテムをうっかり装備すると外せなくなる上,解呪料がかかる。だから最後列で荷物持ちにするプレイヤーも多かったと思う)

 昔だなぁ。20年以上昔だ。

 ところで8世紀の聖ボニファティウスは,土着民の信仰している神木を切り倒したり神殿を壊したり迷惑な人だった。
 きっと神木を切り倒した時なんか「見ろ。天罰など当たらなかっただろ」とドヤ顔をかましたに違いない。
 異教徒には何をしてもいいという宗教を信仰する奴は,本当にこの世の害毒だよな!
 最近じゃイスラム系のテロリストが国家ごっこをして暴れているし!

 そんな気分になったので,徘徊冒険者ボニファーツを自分のギルドに誘うのはやめておいた。

[記・2015/4/4]


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