■参考文献・人名辞典系
EGW | H&H | R&Wまたは『姓名辞典』 | JC
AR | J&S | GRS | LR | DP |
The Oxford Dictionary of English Christian Names 3rd Edition
/E. G. Withycombe 1977(1945)[Oxford University Press]
個人的評価: 信用している/引用時の略号 EGW
初版年が相当昔なので,説が古いかもしれないが,中世の記録に現れる人名を調査してあり,信頼できると思われる辞典。
[2013年追記] 一応販売されてはいるようだ。ペーパーバック版の新品が145ドルとかで。
[2022年追記] アマゾンで検索したらペーパーバック版の中古が7.99ドルだった。さすがに新品はもう存在しないらしい。
A Dictionary of First Names
/Patrick Hanks and Flavia Hodges, 1990 [Oxford University Press]
個人的評価: 信用している/引用時の略号 H&H
長らく EGW の辞典,GRS の辞典を読んでいたので,この辞典には驚いた。突然見たこともない説があるのだ。研究が進んで旧説が否定されているのかもしれないが,Oscar
(♂) の扱いなどには目を疑ってしまった。
私はこの本のハードカバー版を4750円で買ったらしい(本の裏表紙をめくったところに鉛筆で4.750と書いてある。新宿紀伊国屋書店の人が値段を換算してメモしたに違いない)。
ペーパーバック版は3000円を超えない価格だった 。信用度と人名収録数から言って,他のどの辞典を買うよりコストパフォーマンスが良いはずだから,本屋に何冊かの人名辞典があったら,まず,この辞典を選んだほうがいいだろう。
ただこの辞典は人名簿調査を載せていないという理由で,どこかのサイトでこきおろされていたのを見たことがある。でも英文だったので読み違えかもしれない。
[2022.4.23追記] 2016年にハードカバー版が再販されたらしく,アメリカのアマゾンで35ドルで販売されていた。検索によると今日1ドルは128.47円なので,4496.45円のようだ。
日本のアマゾンでは同じタイトルの辞典が7165円で売られている。著者名が1人増えて3人になっているので,以前の辞典の改訂版かもしれない。
A Dictionary of English Surnames (3rd edition)
/P. H. Reany (& R. M. Wilson), 1995, 1958 [Oxford University Press]
個人的評価: 信用している/引用時の略号 R&W または『姓名辞典』
この辞典は語源と語意も書いてあるが,基本的に人名簿調査記録が書いてある本。私は部分的にしか読んでいないが,しつこく読めば歴史の中で消え去った古英語名が発掘できそうな感じがする。あまり昔に出た本でもないのに,紀伊国屋書店には2000年4月頃から並んでいない。
[2013年追記] アマゾンで売られている。
[2022.4.23追記] アメリカのアマゾンで2020年版のペーパーバック版が52.95ドル,2005年版のペーパーバック版が21.95ドル,そして2005年版ハードカバーが325.00ドルで売られている。残り1冊のようだが誰がそんな高い本を買うんだ。日本円だと41752.75円……41753円だ。なお日本のアマゾンだと32932円だ。私のアカウントは日本のものだから,船便の運送料が自動的に加算された値段が表示されているのかもしれないが,どうもよくわからない。H&H
の辞典はアメリカの値段のほうが安いし。
Dictionary of First Names
/Julia Cresswell, 1990 [Bloomsbury]
個人的評価: 信用してはいる/引用時の略号 JC
書いてあることは一応信用しており,ここのサイトでは辞典扱いにしているが,参考文献を明記していないあたりが怪しく,「命名本」寄りの本かもしれない。
Dictionary of First Names
/Adrian Room, 1995 [Cassel]
個人的評価: 信用している/引用時の略号 AR
他の人名辞典とそんなにかけ離れたことは書かれていない。参考文献の明記なし。この本のウリは各人名の項目に著名人のフルネームと生没年が書かれている点だろう。
この本は開いた途端に28ページまで背表紙からはがれた。今では65ページまではがれてしまった。その他にも,180度まで開いた部分はたいていページが剥がれ落ちている。現在ビニール袋に入れて本棚に立てている。分厚い紙を使った辞典にしては製本の質が良くない。
[2013年追記] この本はめくるたびにストレスがたまるので廃棄した。また買い直せばいいやと思ったからだが,結局そのままで現在に至る。
Names for boys and girls
/Charles Johnson and Linwood Sleigh, 1980 (1962) [Pan Books]
個人的評価: かなり語意説明がアバウトなところがあるが,長期間流通した本として一応信用している/引用時の略号 J&S
この本は編集や体裁を変えて長い間世に出ていた。
まず1962年にニ巻本で Harrap 社から出版され,1965年に Pan Books から The Pan Book of Boys'
Names, The Pan Book of Girls' という題で2冊のペーパーバック版が出た。
そのあと1973年に The Harrap Book of Boys' and Girls' Names という題で一冊にまとめられ出版されている。
Names for boys and girls というのは1975年以降の版で,私はこの版の5刷(1980年/ペーパーバック版)を持っているわけだ。
そして,H&H が参考文献の中に
Johnson, Charles, and Linwood Sleigh: The Harrap Book of Boys' and Girls' Names (London, 1983)
と書いているので,1973年編集の版は1983年に新装版が出たらしい。しかしどの版も,最寄りの洋書店(新宿・紀伊国屋書店)で見かけない。この本は巻末に参考文献のページがあったはずだが,千切れて紛失してしまった。
2009年の年末大掃除の際にこの本を紛失しました。手元に残るのは巻末索引部分のみです。あああ。
アメリカ人名事典
/G.R.スチュアート, 1983 [木村康男訳,北星堂書店]
原著は American Given Names, 1979 (G. R. Stewart)
個人的評価: 信用している/引用時の略号 GRS
日本語で読めてありがたいが,1983年当時3500円もした本。
昭和58年(1983年)の初版(表紙の色は濃い赤みの紫)を持っている。
おそらくこの本は一度は刷り直されている。というのは,移転前の「調布中央図書館」(東京都調布市)に「表紙の色が紺。そして字詰めが微妙に違う」というバージョンの「アメリカ人名事典」があったからだ。
もしかしたら内容が変更になっているかもしれない,確認しなくてはと思っているが,そのままになっている。
アメリカではまだ原語版が売られているかもしれないが,調べていない。
[2022.4.23追記] アマゾンでペーパーバック版が1448円で売られていて,2015年に1人のユーザーが★1つの評価をしている。out
of date 時代遅れだと。35年も前の本を読んでそんな文句をつけてもなぁ。
ところで驚くべきことにハードカバー版の新品が9746円だった。本屋の倉庫に40年以上眠っていた本なのだろうか。
Name Your Baby
/Lareina Rule, 1988 (1963) [Bantam Books]
個人的評価: 他の辞典と記述が合致したときには信用する/引用時の略号 LR
この本は語源・語源の語の綴りを記載しているので,一応辞典扱いとした。しかし,「参考文献」のページがなく,えんえんと「星占い」のページが続く構成から見て,疑わしい命名本に限りなく近い位置にあることは確かである。
語意も意訳が多い。例えば Abraham (♂) は father of maltitude(s) の意とされる名だが,この著者は Abra
(♀) の項で
Mother of multitudes. Feminine form of Abraham.
などと書いたりしている。いくら Abraham が father of maltitudes の意であっても,その女性形の語意を Mother
of multitudes と説明してしまうのは乱暴だと思われる。
この本は各国語形のスペルの確認や聖人名の説明を参考にする程度にしている。
ただ,どんな説も,信じる人が多くなると通説になる。この本は編集を変えつつ,少なくとも25年間流通していた。
[2022.4.23] 著者名の Lareina Rule でアマゾン検索してみたら,なんとまだ売られていた。60年間ずっと流通したのか,一時絶版になって復刻したのかは不明だが,とりあえず1963年に出た本が2022年にも買えるのは凄いことだ。
キンドル版で992円だった。なんだか妙にアマゾンユーザーの評価が高いが,個人的には Mother of multitudes の衝撃が忘れられないので,あのレビュアーは全員関係者のサクラじゃないかと思う。
The Penguin Dictionary of First Names
/David Pickering, 1999 [Penguin Books]
個人的評価: 割とまともに思えるが……/引用時の略号 DP
そこそこの辞典。特色はない。他の,とある辞典を(具体的に言えばH&H) ,文章のみでズラズラと書き直して再編集した感じが強い。しかし,ごくたまに,独自の記述もある。
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