神代植物公園のバラ

ふれ太鼓[Fure-Daiko] (Cl. F)-----[作出] 1974年,日本 [撮影] 2001年5月,都立神代植物公園

ふれ太鼓

 咲きすすむうちに色素が増量し,赤に変化する(→写真/31KB)。これは全て「ふれ太鼓」の花。

 別名ピニャータ(Pinâta)。「ピニャータ」はメキシコやカリフォルニアなどでお祭りに使う張子のオモチャのことである。お菓子やオモチャを詰めて吊るし,子供が叩き割る。そしてばら撒かれた中身を競り合って拾い集める。
 つまり「薬玉+スイカ割り」的遊びで,クリスマスや誕生日に行われる楽しい大騒ぎだ(ただし地域により変化があるらしい)。
 この花の明るい色合いが,ピニャータをイメージさせるということで名づけられたそうだ。

 薬玉はもともと,五月五日の端午に簾や柱に掛けた邪気払いの道具だった。錦の袋に各種の香料を入れ,五色の長い飾り糸をあしらって作られていた。古代中国から日本に入った風俗だが,薬玉の贈答は平安時代に盛んに行われたという。

 現在日本の薬玉は割られるために作られる。めでたい席を祝う道具である。しかし,破邪の力を持つ品を入れた容器を割り,あたりにばらまくことにより,その場所や人々の厄を払うという意味合いがあるような気がする。

 ピニャータの背景にもその手の呪術的な背景があるのではないか……と思うのだが,そのへん不明。


[作出] 1974年日本,鈴木省三
[交配親] (Goldilocks の実生× Sarabande) × Golden Giant の実生
[花] 黄色にオレンジの覆輪,次第に赤みが増す
[別名] Pinâta (ピニャータ)


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