■天津乙女 [Amatsu-Otome] (HT)-----[作出] 1960年,日本 [撮影] 2001年5月7日, 都立神代植物公園
明るい黄色の花が咲く。葉は明るい緑で,ギザギザが少ない形をしている。トゲは根元が薄赤く,先が黄緑だった。
『ばら花図譜』によれば「やや果物系の香り」があるらしい。しかし今のところ,「花屋の前を通った時の匂い」しか嗅いだことがない。
この花は宝塚スター「天津乙女」にちなんで名づけられたそうだ。天津乙女とは天上に住むといわれる少女のこと。または,五節(ごせち)の舞姫のこと。
五節とは古代から新嘗祭(にいなめさい)・大嘗祭(だいじょうさい)に行われた少女楽の公事である。
この儀式は毎年11月中の丑・寅・卯・辰の四日にわたって行われた。またこの儀式の舞姫そのものを「五節」と言うこともある。舞姫の三人が公卿の家,二人は国司の家から出た。
古代の新嘗祭は陰暦11月の卯の日に行われたが,その後日時が固定されて11月23日が祭日となった。さらにその後,この祭日が「勤労感謝の日」として国民の祝日に加えられた。
[作出] 1960年日本,寺西菊雄
[交配親] Chysler Imperial × Doreen
[花] 黄色,剣弁高芯咲き
[神代植物公園での花期] 2022年は5月7日に開花した花が撮影できた。比較的早咲きと思われる。5月11日,13日,15日は公園を訪れているのに写真を撮っていないこと,5月19日に再び写真を撮っていることから考えると,多分早くに咲いた第一陣は5月10日くらいに終わり,一週間くらい経過した16~17日頃に第二陣が咲き出したのかもしれない。5月19日の写真にはかなり傷んだ花が写っている。
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Last Update 2022.6.12