■新今治水を知らない世代-----2024.1.1
去年の12月,日曜に歯が痛くなり,月曜の午前2時頃に歯科医院を検索した。
2年くらい通ったが1年前に行くのを止めた歯科医院には行きたくなかった。
多摩センター駅周辺の某歯科医院にネット予約して10時に受診。
抜歯を覚悟していたが根管治療でなんとかなるらしい。
今までこの状態で痛くなかったのかと若い歯科医に聞かれたので,新今治水の使用を白状したところ,
「何ソレ,知らない」
と言われて驚いた。
「あー。昭和の貧乏人が使った薬です。麻酔薬ですね」
と説明してみたが,知らない知らないと驚いている様子。
新今治水は「ここまで行ったら抜くしかないんじゃね?」くらいの歯に塗るのは良いが,多少の治療で治る歯なら使わないほうがいいと聞く薬だ。時により神経が腐って膿んだりするらしい。
新今治水自体を否定したいから「この世にそんなものは存在しない,よって知らない」という意味なんかな?
それとも歯科医大では「日本の虫歯治療の歴史」とか「民間薬使用で悪化した事例」とかの授業はないのか。
現行の民間薬の話が通じないならいっそ
「松の葉っぱを噛んでました~」(薬用植物の本で読んだけどさすがに実践したことはない)
とか冗談を言っても良かったな。
で。職場で色々な年代の人に「新今治水を知っているか」と聞いて回ったら,昭和56年生まれの人が知らなかった。
またそれより若い世代も知らなかった。昭和48年生まれの人はおぼろげに記憶があるらしい。昭和30年代生まれの年配組は当然知っていた。
昔はそもそも歯科医院の数が少なかったから,はるか先の予約日まで痛みに耐えるために新今治水を使うことも多かったからだろう。
ジェネレーションギャップだな。
それを認識できる程度に長生きしたんだな。
長生き特典。
といっても特に嬉しいわけでもないか……
ところで前の現場でも,今の現場でも,現在30代中頃の同僚に「初詣は行ったほうが良いですよ! (男性)」とか「毎年2箇所の神社に初詣に行ってるんだ~。(女性)」とか言われたのだが,ここらの世代の人って信心深くなるような生育環境とか事件とか架空作品の影響とかがあったのだろうか。サンプル数が2しかないのでたまたまなのか?
そして私は今朝初詣に行くつもりで早起きし,窓の外から聞こえる風の音に恐れをなして外出を中止した。
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