お約束の展開ノート

タイトルのお約束

[○○]
 タイトルの王道その1。「ジェーン・エア」「神田川」「アマポーラ」等の名詞のみのタイプ,「宇宙戦艦ヤマト」「麻酔科医ハナ」「眠れない夜」「踊る大捜査線」等,形容的な言葉と組み合わせたタイプがある。

[○○の○○]
 タイトルの王道その2。「ローマの休日」,「銀河鉄道の夜」,「世界樹の迷宮」「麗しのわさび茶漬け」など,タイトルの多くがこのタイプ。

[○○と○○]
 「王様と私」「セーラー服と機関銃」「老人と海」等。

[○○の○○な○○]
「江分利満氏の優雅な生活」,「博士の異常な愛情」あたりが近い時代の元ネタだと思われるが,「○○の○○」と「○○な○○」の組み合わせでもあるため,多分それ以前の有名作品にもある,はず。
「さくら荘のペットな彼女」というラノベがあるらしい。日本語として正しくないが,「○○の○○な○○」パターンをもとに作られたタイトルかもしれない。 

[○○記/○○伝説/○○日記]
 ○○に適当な名称を入れれば出来上がるのでお手軽。

[主語+動詞のみのタイプ」
「鷲は舞い降りた」,「樅の木は残った」,「家政婦は見た」,「ダイヤモンドは傷つかない」「山猫は眠らない」等

[○○に花束を]
「アルジャーノンに花束を」のもじりタイプの様式美。

[○○からの○○/○○から来た○○]
「カナダからの手紙」「天国からの銃弾」「遊星からの物体X」,「天国から来たチャンピオン」「寒い国からきたスパイ」

[普通の長たらしい文章をそのまま使うタイプ]
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」

[パロディとしてのタイトル]
 世に知られた有名作品の題名の一部を,原形がわかる程度に改変して別の題にする。
 アダルトビデオの題名はこれの宝庫らしいが,詳しくないので例を挙げられない。
 昔,吉行淳之介のエッセイで,「『砂の上の植物群』をもじった『臍の下の動物群』と題されたエロい作品が現れないかと期待していた。しかし出なかった」という話を読んだ記憶がある。
 でも30年以上前の記憶なので記憶違いかもしれない。


[おまけ]

 推理小説は題名に「殺人事件」を入れると一般ウケする時代があったらしい。また大昔のサスペンスドラマでは温泉地が舞台の場合,タイトルに「湯けむり」か「秘湯」か「旅情」を入れるのがお約束だった。

お約束の展開ノート

黄昏のポプリ

奇妙なポプリ


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