お約束の展開ノート
●キャラクターの登場・再登場
[登場]
- カッコ良く登場した場合
- カッコ良さを一貫して保持してラストまで一直線。(お子様向き)
- 途中で見苦しさを晒すが,ラスト近辺ではカッコ良さを取り戻す。(一般・厨二病患者向き)
- みじめな状態で登場した場合
- みじめな状態のままラストまで一直線。(厭世的厨二病患者向き)
- 途中で「みじめな状態」から脱却,劇的な変身を遂げてカッコ良くなる。(一般向け王道)
- 変貌の理由が「友情・努力・勝利」なのは少年漫画。
- 変貌の理由が「恋愛」なら少女漫画。
- 変貌の理由が「死別の悲嘆の克服」ならメロドラマ。料理によっては文学にもなり得る。
- 変貌の理由が「強姦事件を乗り越えて」なら昨今の少女エロ漫画かエロゲーかスイーツ御用達のケータイ小説。
- 途中で「みじめな状態」から脱却するが,物語のラストで登場時よりもみじめな状態となる。小悪人によく見られるパターン。
[再登場]
- 主人公と戦って負けた悪役は味方として再登場する。
- 戦った当時より能力が高くなっており,強力な助力者になってくれる。
- 戦った当時より能力が低くなっており,ウザイ足手まといになる。ドラクエ6のテリーとか。
- 主人公と袂を分かった味方キャラ
- 敵側に回って再登場。敵として死ぬ。
- 敵側の幹部として再登場。しかし実は主人公のために敢えて敵側に身を投じていて,直接的・間接的に主人公に強力する。裏切り者として殺されることが多い
- 行方不明・生死不明になった味方キャラ
- どう考えても死亡確実の状況でも,超・ご都合的な理由で生き延びている。涙の再会シーンに続く。
- 敵側に洗脳され,敵として再登場。(三十年前のロボットアニメの御用達設定だった。最近はどうなんだろ?)
- 死亡・退場したキャラクターが,姿を変じて再登場する
- 思い出・幻影として現れる
- キャラクターの意思が込められたアイテム,キャラクターを想起させる何物かが,本人の代理として再登場する。
- 故人の日記,手紙,道具
- 登場シーンに対応した舞台。例1/桜吹雪の下で出会った二人だが別離してしまう→桜吹雪が登場。例2/主人公に酒を奢ってくれたキャラクターが,物語の中で死亡→主人公が物語のラストで酒場に行くと,マスターが酒瓶を渡してくれる。「あいつから預かっているよ」
[登場の際の演出]
- 高い場所から登場
- 空から落ちて来る,舞い降りて来る(ファンタジー御用達)
- 塔(囚われのお姫様御用達)
- 木の枝の上(アクティブな阿呆御用達)
- 学校の屋上(学園ドラマ御用達)
- 各種飛行機械(ギャグからシリアスまでカバーする。大統領専用機から鳥人間コンテスト用の自作飛行機まで色々)
- キャラの説明を兼ねた登場
- 超・職人技の披露(速い・凄い・素晴らしい,絶賛系の登場)
- スナイパーやナイフ投げ芸人が百発百中振りを披露
- 魚屋が鮮やかにマグロを解体
- 天才ハッカーが機密データをハッキング
- 骨董屋が物の真贋を看破
- 仕立て職人が超速で縫い物
- 無能力・無知の披露(トホホ系の登場)
- 赤点のテスト用紙に埋もれる学生(昭和ギャグ)
- 魔法使い見習いや科学者の卵が大失敗。大爆発。ちゅどーん。
- 超常能力
- 複数の敵に襲われるが一瞬で返り討ちにする
- 剣士が(敵の)服だけを(器用に)切り裂く
- 空から巨大な何かが落ちて来るが,受け止めたり斬り飛ばしたりして命に別状はない。「ビルから鉄骨が落ちて来る→でも無事」というエピソード,私の知る限り三作の少年漫画に含まれているが,あれは何か超有名な元ネタがあるんだろうな。
- ポーカーやルーレットで大勝ちして不敵に笑う
- 常識を超えた大食らい・怪力の人物として登場
●キャラクターの退場
- 死亡・消滅して退場
- 五体満足健康体元気一杯で退場
- どこかしら不健康・負傷・四肢欠損で退場
- 事情があってキャラクターが「所属する世界」に帰る。人間なら「縁談があるので帰郷」「城を飛び出した姫が宮殿に戻る」など。妖精や精霊なら精霊界へ。天使なら昇天する。
- 羽根付きのキャラクターが空に舞い上がって退場した場合,一枚の羽根がヒラヒラと落ちてくる
- 「何かの行動を絶対しない/滅多にしない」キャラクターは,退場する際にその「何かの行動」をして去る。例としては「笑わないキャラクターが物語から完全に去る場合,最後に笑顔を見せる」等。
吸血鬼ハンターDとか。あれ原作は好きだったし,塩沢兼人の声質も好きだったが,しかしDの声として塩沢兼人というのは違和感がありすぎて無理だった。
- 登場シーンを踏まえた退場。例/物語序盤で「酒場のドアを開けて現れた」人物が,物語の最後には「酒場のドアを開けて去っていく」
お約束の展開ノート
黄昏のポプリ
奇妙なポプリ
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