■Liam
第二次世界大戦をネタにした戦争小説では,ドイツが悪玉のことが多い。
しかし『鷲は舞い降りた』(ジャック・ヒギンズ,1975)では,ドイツ人が主人公である。ドイツ人善玉設定は当時斬新で,非常な人気を集めたらしい。この小説中に,IRAの闘士「リーアム・デブリン」が,自分の名前について尋ねられる場面がある。
「リーアム。それもアイルランド語なの?」
「さようでございます」
「どういう名前なの?」
「ウィリアム」
彼女は眉を寄せた。「いいえ、やっぱり、リーアムの方がいいわ。(以下略)
*『鷲は舞い降りた(完全版)』(The Eagle has Landed, Jack Higgins, 1975, 1982)(ジャック・ヒギンズ/訳・菊地光,1992年,早川書房)の169ページからの引用
原語版で Liam と書かれているかどうか未確認だが,多分,そうであるはずだ……と思う。
[2022.4 追記] Wikipedia の「鷲は舞い降りた」の英語版で Liam Devlin の綴りを発見した。
Wikipedia は全面的に信用できないものとはいえ,ファンも多いだろう小説の主要人物名を間違って書いたらツッコミの嵐だと思うので,多分彼の名の綴りは
Liam で正しいのだろう。
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