■Denitsa / Zornitsa
Denitsa をネット検索したら born on sunrise の意,と書いてあったが,それらしき裏づけが見つからない。
そこでネットのブルガリア語辞典の ден- 付近を読んでみた。
https:/archive.org/stream/completebulgaria00steprich#page/81/mode/1up
денница (ラテン文字綴りは Dennitsa) が見つかった。しかし н が一つ多い。
これは morning star の意味の言葉のようだ。
ブルガリア語 Wiki で денница を探す。曖昧回避のページから,Венера (планета) (金星) のページに至る。そのページに
Обикновено тогава тя е най-яркото небесно тяло след Луната и Слънцето и затова понякога често е смятана за звезда и е наричана Зорница, Денница (Деница) и Вечерница.
とあるのを見つける。Денница = Деница でいいらしい。上の引用部分をGoogle 翻訳にかけると,
Then it is usually the brightest celestial body after the Sun and Moon, so sometimes it is often considered a star is called Zornitsa, Lucifer (Denitza) and Hesperus.
その後、太陽と月の後に明るい天体は通常なので、時にはそれは、多くの場合、星がZornitsa、ルシファー(Denitza)と宵の明星と呼ばれていると考えられている。
(相変わらず日本語訳はワケがわからない。まだ英訳のほうが意味が取れる。Google 翻訳で Зорница と入れるとPhosphor と訳されるのに,文章中では Zornitsa のままになるのが不思議だが)
Wiktionary で денница を検索した。ロシア語にもあるらしい。
ロシア語(古語・詩語) денница は день (denʹ) + -ница (-nica) に分解される言葉で,день の語源を遡ると印欧祖語
*dyew- (語意 sky, heaven) に到達し,*dyew- を語源とする語にはギリシャ語 Ζεύς (Zeus/ゼウス) があるようだ。やけに壮大な話になって来た。
ところで Зорница (Zornitsa) はブルガリア語で「morning star (明けの明星), day star, Phosphor, Lucifer」の語意がある。女性名や地名にも使われている。
ブルガリア語 Wikipedia によると Зорница は「Зора の指小辞形」だそうだ。
ブルガリア語 зора の語意は dawn, dayspring。
……ブルガリア語 зора とロシア語 заря (語意 dawn, daybreak) は同系かもしれない。
Wiktionary の заря のページには,зарница (zarnitsa /語意 heat-lightning/熱雷) が関連語として挙げられている。
もしかしたら зарница (zarnitsa) ――ザルニーツァと,Zornitsa は大元が同じかも。
だとしたら枝分かれした片方が雷になり,もう片方が星になったことになるが……
ちょっと調べられそうにないので妄想の域を出ない。
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