■Aurora
イタリアでの使用もあるのかもしれない。
あるサイトによると2007~2012年の命名ランキング上位に入っている。
このサイトがどの程度信用できるか不明である。
ローマの女神様の名前なのだからイタリアで使われても当然といえば当然――だが,しかしH&H の辞典 (1990) ではイタリア語名扱いされていない。H&H はイタリア語名も多く収録されており,個人名の各国使用状況も詳しく書いてある辞典だから,ランキング上位の名前を無視することはなさそうに思えるが……
もしかするとH&H (1990) が辞典を書いた当時の資料には,「イタリアでの Aurora の個人名使用」がなかったのかもしれない。つまり,Aurora が個人名に使われはじめたのが比較的最近のことだ,ということかもしれない,という雰囲気がする。
『ヨーロッパ人名語源事典』によるとイタリアの命名は「カトリックの聖人に因む」ことが重要な点だったようだ。そして Catholic Online
のサイトを見ると,「Aurora という名の聖人」が存在しない。
イタリアも近年は伝統的な聖人名ではなく,それ以外の名が使われることが増えてきたらしいが,「イタリアでの Aurora」も「聖人名以外の新しい名」なのかもしれない。
しかしこの推定には資料的な裏づけが全くない。
「イタリアの教会の出生記録」とかを読んで検証できる能力や環境が,私にはない。
[追記]
Wiktionary によれば Aurora を given name として使う言語は English, Italian, Finnish, Norwegian, Spanish, Swedish らしい。
[おまけ]
ところで日本の大昔のTVアニメ『SF西遊記・スタージンガー』(放映:1978-1979) には「オーロラ姫」という女性が登場した。彼女は三蔵法師に見立てられたキャラクターだった。
私はこのアニメを飛び飛びにしか見ていなかったので,「なぜ三蔵法師がオーロラになるんだ」としか思っていなかったが,30年以上経過した現在,Wikipedia
を読んだところ,「太陽系の人間」という設定に基づいた命名 (太陽→曙→曙の女神→オーロラ) だったらしいことがわかった。
今となってはオーロラ姫がジャン・クーゴ (孫悟空に相当するキャラクター) をお仕置きしようとする場面と,サー・ジョーゴ (沙悟浄に相当するキャラクター) が電卓を持っている姿しか思い出せないが,割と楽しいアニメだったような記憶がある。
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