フランダース地方に Alvina という娘の伝説がある。Alvina は王の娘だったが,不適当な結婚をして両親に見捨てられた。強い風の吹く日には,風に混じって彼女の泣き声が聞こえて来るという……
……という昔のメモが出てきた。
ワープロで感熱紙に出力したものが。
ワープロの中にデータを打ち込んだのは1990年くらいまで。当時はWEBで公開する状況なんて想像もせず,自分用の資料として使えれば良かったので,参考書籍をしっかり記録していなかった。そして20年以上前のことなので全然記憶がない。
どこから拾ってメモしたんだろう。この話。もしかすると紛失した J&S の辞典かな……
そこで検索して調べてみた。
日本語のページは役に立たなかった。フランダースの犬とアニセー・アルヴィナばかりヒットする。
仕方ないので Alvina Flanders King Princess 等で検索してようやく見つけた。
1851年の書籍のスキャンデータだ。「プリンストン神学校図書館」の所蔵らしい。
Northern mythology : comprising the principal popular traditions and superstitions of Scandinavia, North Germany, and the Netherlands (1851)
この268ページに Alvina. という短い話が載っている。1ページの半分くらいの短さだ。
王の娘 Alvina の泣く声がする,という伝説は確実に存在するようだ。ただ私の読んだ本では「フランダース」としか書いていなかったようだが,上記の書籍では West Flanders となっていて詳しかった。
なお,伝説中の Alvina の名が古英語由来なのか……という点は不明。
地域を考えると,別のゲルマン系言語に由来していそうな感じではある。
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