神代植物公園の花

ヒガンバナ [Lycoris radiata] ヒガンバナ科/ヒガンバナ属

[撮影] 2002年9月下旬,都立神代植物公園

ヒガンバナ(2002年9月下旬)

 中国原産の多年草。田んぼのあぜ道や墓地などで見かける花である。名の通り,彼岸の頃に咲く花だ。
 子供の頃,祖母の家の近くの墓地からたくさん折りとって,水色のバケツに活けたのを思い出す。なお,彼岸花は死んだ人が咲かせる花だと聞いていたので,一本折るたびに手を合わせたのも思い出す。

 この花は公園のあちらこちらにある。
 上の写真は「流れの山野草園」の柵のすぐ脇で撮影。
 流れの山野草園には岸辺に10数本まとまって咲いている群れもあった。しかしちょっと遠すぎて撮れなかった。

 radiata は多分ラテン語 radiātus に由来していると思う。 radiātus には「(車輪が)輻(や)を持つ」「輝いている,光を放つ」「(医学用語で)放射状〜」という意味がある。
  radiātus はラテン語 radio 「光らす」「光る,輝く」「放熱する」から出た言葉である(そして radio はラテン語 radius が語源)。

 英語の連結語 radio- 「放射,輻射,電波,無線,放射能」,そして radius 「半径,範囲,放射線状のもの」,この二つの語源はどちらもラテン語 radius 「棒,輻,半径,光線」である。

 ヒガンバナのおしべの広がり具合の様子から,radiata という学名がついたのではないか……という気がするが,そのへんは確認していない。


白いヒガンバナ 左の写真(51KB)はヒガンバナの白花らしい。これは「宿根草園」で写したもの。撮影した日には,白花は二輪しかなかった。淡い黄色がかった白で,少し離れてみたところクリーム色の花に見えた。


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Last update 2002.9.21