■フタリシズカ [Chloranthus serratus] センリョウ科/センリョウ属---[撮影] 2002年4月下旬,都立神代植物公園
「流れの山野草園」で撮影。むやみにアップで撮ってしまったが,白い花の穂は長さ5センチ程度,ごく地味な草である。写真の株は草丈も30センチ足らずだった。
図鑑には「草丈30〜60センチ,花穂は2〜6センチ,葉は長さ8〜16センチ」とあり,かなり環境で育ち具合が変わる草らしい。
同じ科の植物「ヒトリシズカ」(センリョウ科/センリョウ属)は花穂が一つなのに対して,「フタリシズカ」は花穂が二つ出ることが多い。それで「フタリシズカ」と名づけられた。
しかし実の所,フタリシズカの花穂は必ずしも二つではなく,1〜5の間で増減する。
漢字では「二人静」。「静」は「静御前」を指している。彼女は源義経の愛人で,歌舞に長けた美しい白拍子だった。彼女を題材にした能や歌舞伎がいくつか作られている。その一つ,能の「二人静」では,静御前の霊に憑かれた奈摘み女が舞い,神職に弔いを願う。
「フタリシズカ」は花穂の数からではなく,この舞いから命名されたとする本もある。
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Last update 2002.4.27